005 / 隔絶
社会人になってから出来た友人に引き笑いされた。
ああ、やはり僕は自分から枷を嵌めた虚しさと永劫向き合わなければならないようだ。
ちょっと頭がいいだけの面白い人は、つい最近まで麻酔が効いたままで、どうでもいい酒をどうでもいい気分で飲み、それなりに楽しんでいたのに。
今日、何曜日だっけ。
脳みそって何ゴミなのかな。
うん、いい弱音だ。
終わり終わり。生産性がなさすぎる。
なくてもやるくせに?
いーの。弱さと向きあうことが、強いってこと。
004 / 岐点
あまりに寒くて飛び起きた。
そりゃそうか、札幌の10月だもの。
早いなぁ、と思うのも当然。
長女の出産のために妻が入院してから、産後まだ実家にいる現在までの二ヶ月、僕の中ではこの日々が夏からの延長でお団子になっている。
妻が聞いたら怒るだろうか。怒るよなー。
女性にとれば出産前後の境界は明確で、そこに足並みを揃えることができていないのだから。
さて、朝の支度をしよう。
今日もまた、アウトプットに九割の制約を。
不思議でしょう?
頭が回るなら、回せる業界を選べばよかろうもん。
ここ、かな。
僕にとれば、妻を娶り子供を想像した日が岐点なんだ。
思考をうちに秘めることだってとうに覚悟の範疇。
だから些細なこと、と言ったら申し訳ないが子供が生まれようがやることは変わらない。
多分、それを妻にうまく話せていないんだ。
だからどうということも、また、ないのだけれど。
僕がしょうもないことを考えていようがいまいが、
起き抜けのブラックは美味い。
それが一番、日常らしいなと思った。
003 / 弟子
弟子ができた。
というと唐突だが、僕の持つ思考のすべてを吸い尽くしたうえで、僕を超えてほしいと素直に思える人材に出会った。
漠然とではなく、何を教えようかと考え、以前自己啓発セミナーの特別講師として招かれた際に作成したレジュメを開いてみた。
備忘録を兼ねて、ちとメニューを並べてみよう。
および具体的成長イメージの構築
ニ、大脳イメージの鮮明化 金魚鉢と虚数概念について
三、思考力係数の管理 バルク・トルク・カルクの定義
四、加圧思考によるトルクの拡張
五、議論のすすめ
六、議論実践 ペナルティを加味した論破戦術
七、錯覚とプラシーボ
八、潜行的思考トレーニング
十、諧謔的思考について
十一、戯言使いへの道
十二、個人差と性差を活かす
十三、パラドクスとの戦い
ふむ…全部教えきるにはどれくらいかかるかな。
まぁ案ずることはないか。
僕の脳を食べたくて仕方がないだろう、
お残しは許しません。
なんてね。
あー気持ち悪っ(笑)
さ、寝よ寝よ。
あ、興味がある方がいたら各章はここでも開けます。
002 / 近日
いやー、たまらん。
最近とにかくたまらん瞬間が増えた。
堪(たま)らん。
堪(こら)えられないと読むとしっくりくるね、
沸き上がる感情を制御できない様をさすわけだ。
もうね、全然制御できてないんだ。
頭人間はしばしばそのメカニズムを解明したがるけど、こりゃ無理かも。僕は、ヒトのサガだからで片付けるのが定番になりました。
娘のしゃっくり。
息子のまゆげ。
六歳上の嫁さんの赤ちゃん言葉。
あの子の甘え。
完熟したナナカマド。
一服し見上げる秋空。
あいつの初恋。
たまらんね、たまらんわ。
猛烈に頭が悪そうな駄文ですが、いいんです。
ときたま、頭を亡きものにするのも気持ちいいもんだ。
001 / 遺伝
そう、話せば長いので辞めますが、僕がそもそもこうなったのはだいたい遺伝のせいです。
…。
語弊しかないな(笑)
違う、違う。
両親の性質に引きずられてこうなったって責任転嫁をしているわけじゃないの、遺伝という学問が僕に放火をした犯人だということを言いたかったんだ。
メンデルの法則。
あれは詐欺師だなぁ、あぁ悔しい。
優性の法則、なんて言葉が頭の片隅に残っているでしょ?
当時あの法則を提唱すること自体が驚異だよね。
何教とは言わないが、宗教が不文律→納得と云う時代に
なんと冒涜的な言葉を発したんだって、尊敬しかない。
あ、僕はサラリーマンをしていますが、
長いものに巻かれるのは大嫌いです。(^ν^)
巻かれるふりをし続けていますがね。
話を戻そう。
メンデルの法則の最大の汚点は、あれを三節からなる法則と断定して世に出したことにあると僕は思っちゃう。
だって、そうじゃない?
第一の法則。
第二の法則。
第三の法則。
これで遺伝は説明できるよ!
あ、例外はあるよ!
おい待て、例外?
そうなのさ、メンデルの法則にケチをつけているわけじゃなくて、この例外というものを残したせいで、好奇心が止まらなくなってしまった。
結果、何が起こるか。
僕みたいに熱狂的に遺伝にハマった人間が、知りたい例外なんて絶対に教科書に載ってないわけだ。
9:3:3:1というよく聞く数字が、実はエピジェネティク修飾というメカニズムでw:x:y:zの任意の数を取りうるなんてもはや詐欺じゃないか。
これは5歳児にエロ本を読ませるくらいに不健全、そして不条理なわけで。教科書に載せないのは当たり前、続きは大学で。つまりリアルな18禁だったわけだ。
でもエロ本なんていちばん読みたいのは小4くらいじゃん。
我慢できるわけがないじゃん?
だから10歳で、大学の知識に手を出した、それだけの話。
実をいうと、さっき触れたエピジェネ…
長くてスマホで打つのめんどいからエピジェネさんでいいや。
そのエピジェネさんは、僕が調べたころにはまだまだ知見が少なくて、当時はよくわからないけど色々あるらしい、くらいに思ってたんだけどね。
うん、やばい。
読み切るに適する長さってあるじゃん。
これ止まらんやつだわ。
あと1つ小節をまたいだら無理矢理閉めようか。
続きは後日ということに。
結果、僕は寄り道もしながら遺伝学専攻で大学院を出たわけで、まぁ引っ張られた許嫁みたいなもん。
何が言いたかったか。
いや、何も言いたくはないんだ。
○○するべき、みたいな主張はこういう形で出さない。
不毛だからね、顔見ずに議論するなんて阿呆のすること。
言いっぱなしで許される、炎上したら逃げればいいなんて考えじゃ、論旨に魂が乗らない気がするんだよね。
だから、結論はないんだ。
たぶんこれからもそうかな。
汲み取る数も範囲も読み手側の問題、僕の矩を超える。
ああ、やはり僕はスマホが嫌いだ。
挨拶は基本、ということで
はじめまして、玖珠ノ葉です。
「くすのは」と読んで頂けたら有り難いです。
ペンネームにあまり意味を感じたことはありませんが、
今回ばかりは、僕にとってとても大切な人の名前から
字を頂いてつけた名前なので、思い入れは格別有ります。
僕は所謂、ちょっとお勉強をしすぎて世の中で生きづらく
なってしまった男のひとりです。特段珍しくはないかと。
ただし、どれだけ頭が回ろうと、心はそんなに回せない。
知能指数が150を超えてしまった故に、感じる孤独は、
筆舌に尽くし難いものがあります。
寂しがりの化物のパーソナルスペース。
それが「玖珠ノ葉ひとつ」、たったそれだけの話。
ですが、ここにはおそらく、尋常ではない物量の
思考の残滓が溜まっていくことでしょう。
格好がいい人、可愛い人。嗚呼、羨ましい。
身体能力が高い人。また、羨ましい。
社交性が高く、周りから愛される人。泣きたくなります。
案ずるな。それらは僕には必要ない。
考えることが、僕の本懐。
全存在価値を、思考能力に一点賭けした男の言葉を、
その滑稽さを、どうかお楽しみ頂きたく思います。
玖珠ノ葉